電書評::FUSEe(R)β公式マニュアル

f:id:uraito:20120426201232p:plainFUSEeではいろいろ遊ばせていただいているので、FUSEe(R)β公式マニュアルEPUB版)を文楽さんで買わせていただきまして。

以下書評というか紹介などもろもろ+αでございます。

大事なことは最後にちょろっとではなく最初に書けといわれましたので、書いときますとFUSEeのユーザーグループFacebookでやりますので皆様参加してください。

 

FUSEeとは?

そもそもFUSEeとは、株式会社フューズネットワークの開発するEPUB製作環境です。有償の製品版がAmazon等で購入できますが、この公式マニュアル内での説明を引用しますと。

FUSEe®はEPUB型式のファイルを制作するためのオーサリング環境です。現バージョンでは、EPUB内部コードを直接編集できるユーザーインターフェイスを設けていて、他のソフトウェアやウェブサービスには見られない、コンテンツに関する自由な編集・記述が可能です。

ということで、EPUBをオーサリングするにあたって細かいコーディングレベルまで手を入れられる自由度の高さと、EPUBを生成するにあたって便利な機能を盛り込んでバランスをとっている点が特徴です。また、そのベータ版「FUSEeβ」に関しては、これまた本文から。

FUSEeβは開発先行公開版という位置付けで無償公開されています。β版で機能の実装を行い、そのフィードバックをもとに製品版に機能が搭載されます。EPUB3.0への対応の実装においてもβ版にて先行公開し、現在に至っています。

ということで私も利用させていただいていますが先行的に便利な機能がいろいろ使えます。表示環境にWebkitのNightly Buildsを取り込んでいたり、またver.0.1.1b2からはWebインスペクタが使えるようになりJavascriptデバッグなどが飛躍的に便利になったり、EPUB3でどこまでいけるのか実験するのに最適です。

無保証ながら無償と人柱精神あふれるあなたにはぴったりなソフトと言えるでしょう。

 

FUSEeβ公式マニュアル

進化が早いためか公式のマニュアルがこれまでありませんでしたが、3月についにEPUB版のマニュアルが出ました。文楽さんなど電子書籍で購入可能です。⇒FUSEe(R)β公式マニュアル

価格は5,775円と、まぁ少々いたしますが、FUSEeβが無料であるため少々のお布施と思いここは払っときましょう。その中身ですが、以下目次です。

 第1章 FUSEeβの使用準備
 第2章 EPUBの基礎知識
 第3章 FUSEeβの基本操作
 第4章 EPUB3制作の基本手順
 第5章 書籍らしく体裁を整える
 第6章 これだけは覚えておきたいXHTMLCSSの基礎
 第7章 EPUB 2.0.1型式での制作
 第8章 EpubCheckで検証する
 第9章 FUSEeβの便利機能
 第10章 テンプレート機能を使用する
 第11章 プラグインを使ったインポート
 第12章 既存EPUBファイルの再編集
 付 録 キーボードショートカット一覧

これ一式でEPUBの基本から、制作に必要なXHTMLCSSの基礎、製作したEPUBの検証まで、FUSEeのマニュアルと銘打ってはいますがEPUB製作の基本的な知識や実務上のTIPSまで一通りの知識がそろいます。

その上で、テンプレートの使い方などの便利な機能を使いこなせるようになれば、かなり自在に思ったとおりのEPUBを作れるようになるでしょう。(思ったとおりに表示されるかはリーダー次第ですが)

とはいえ、HTML5CSSの解説書ではありませんので実際の制作上は別の書籍などを参照する必要があるでしょう。おそらくこのあたり、どこまでマニュアルに盛り込むかいろいろな検討があったのだと思いますが、バランスよくまとめられているなぁという印象です。

また、発行がこの3月であるというタイミングですので、EPUB3の策定からのライブ感(というかはっきりいうと未成熟な部分)に関する記述などが、今まさに動いている分野なんだなぁ、と思わされます。FUSEeβもこのマニュアルが発行されてからバージョンアップし、さらに機能が増えていますので、このマニュアルも更新版が発売されるにつれ、各所記述が大きく変わっていくのでしょう。(ですよねー?)その際は安価なアップデート版マニュアルがでるんでしょう。(そうですよねー?)

この本で特に役だった点としては「第4章 EPUB3制作の基本手順」の中のEPUB2とEPUB3の目次の違いに記述されている「EPUB 2.01/3.0混在形式」についての説明でした。いままでどういう機能なのかよく分かってなかったんですが、両方の環境で読めるよう両方の目次を自動生成してくれるものだったんですね。確かにepubcheckで引っかかっちゃいますが過渡期の現実解として大変便利な機能でよく考えられているなーと思いました。

 

ちなみにマニュアルのEPUBについて

ちなみに、このマニュアルそのものもEPUBなのでFUSEeで開いて中を確認することができます。
EPUBのバージョンは2.0であり、XHTMLではありますが「xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops"」な感じのボキャブラリは使われていません。

 上記にあるように、特にEPUB2と3で仕様が大きく変わった目次の取扱いについてはEPUBリーダー側でも対応がまちまちで、iBooksでもちょっとしたことで目次機能がうまく働かない状況でした(現在進行形か?)ので、販売するにあたって保守的な方向で、となったのかもしれませんね。

(と思うとFUSEeのポジションの図版がさらっとSVGだったりもしますが)

まぁ、今後のアップデートでEPUB3化してくれると、ソースコードそのものもよいEPUBの教科書になるんじゃないかなーと思いますが、それはまた別のお話でしょう。

あとがきを少し引用します。

ツールに課せられているのは、実装自体が発展途上ともいえるEPUBHTML5の未知の可能性を引き出すことと考えています。EPUBの仕様(とウェブの仕様)には定まっていても世界的にブラウザ/ビューワで未実装なMathMLのようなものもあります。“なんだ、できないことだらけだな”、EPUBに触れてそう感じる方もなかにはいるかもしれません。
 電子書籍の歴史自体がまだ始まったばかりです。この黎明期にひとりでも多くの方にEPUBファイルを作っていただき、マークアップを追求していただきたいと思います。EPUBの今後の発展に、「FUSEe®」というツールとこの本がみなさまの電子書籍ライフの一助になることを願ってやみません。

なにやら一部で百万部の電子書籍を作り市場に出そうとしておるようで、それはそれで市場の拡大という意味でよいと思いますが、私としてはその100分の1でも自分で好きなようにEPUBを作る、作れる人を増やすほうが、なにやら今後楽しそうだし意義深いものがあるのではないだろうかな、と思います。そういう意味でもぜひFUSEeには頑張ってもらいたいところです。

uraitoはFUSEeとEPUBを応援しております。

 

FUSEe UG(ユーザーグループ)やります

応援だけしてるのもなんなので、ユーザーグループをFacebookでやることになりました。ロゴをちょっと本家から調達予定でして一応公認ではありますが、基本的には純粋なユーザグループです。何か優遇処置があるとかそーいうことはありません。
FUSEeを使う上でのTIPSですとか、面白い使い方を紹介したり、なんかバグってんだけど?とか要望とか、ゆるく連携できればと思います

なお、当FUSEeUGは製品版、β含めたユーザーグループです。βのみのグループではありませんのでご注意ください。

こちらまで、よろしくどうぞ!
Facebook FUSEeUG

たちあげ記念meetUpとかやる方向かもしれません。ご案内は上記Facebookのほうでご相談ということで。よろしくおねがいしまっす。